1.クレジットカード

 こちらに来た当初、私はJCB、JALカード(VISA)、VISAカードと日本発行のAMEXを持ってきました。そして、AMEXをアメリカのカードに切り替える手続きをとったことまでは、既に書いたとおりです。結局、AMEXと銀行が発行したマスターATMカードの2枚が現地発行カードということになります。ATMカードには2種類あって、ひとつはATMで引き出ししかできないカードと、マスターあるいはビザがついていると、クレジットカードと同じように店舗やレストランで使用でき、使用金額が自動的に当座預金から引き落とされていくものです。
 JCBに関しては、とくに観光地やSFダウンタウンでは結構使用できますが、感覚的に言うと、生活をする場では10%くらいの確率でしかアクセプトされません。VISAはまったく普通に使用できますが、為替の関係で少々変動がありますし、決済が日本の口座で行われますから、日本の口座の管理も並行して行わなければなりません。ただ、今はオンラインバンクが発達しているため、リアルタイムで残高の照会ができますし、振り替えなどもできますから、それほど不便に感ずることもありません。1年や2年の滞在なら、ATMカードがあれば(これは銀行の口座を持てば、金額次第で自動的についてきますし、金額が少なくても交渉で持つことができます)現地カードをもたなくても、昔ほど不便はないかもしれません。
 ただ、インターネットで何かを購入しようとする場合、日本発行のカードだとはじかれることがあります。私の場合、ハーバード・ビジネス・スクールが発行する雑誌やニュースなどを購入するためや、ミュージカルやバレエのチケットをネットで購入するために必要でした。しかし、不思議なことに、日本発行のカードが通る場合と通らない場合があるのです。私は、何回か試してみましたが通りませんでした。これは、ZIPcordがアメリカ国内でないと認識しないからであろうというのが通説ですが、友人は住居のZIPcordを入れたら日本発行のカードでも通ったという話をしてくれました。私も試みましたがダメでした。なぜだかわかりません。このような場合には、やはりアメリカ発行のカードがいるようです。
 

2.現地カードの入手

 AMEXは、日本カードから切り替える際、少々もめましたが私は入手することができました。それ以外の場合は、現地カードを入手するにはいくつか方法があるようです。
 第1に、銀行に口座を作るときに、頼んでクレジットカードも作ってもらう方法です。ある程度の金額を預金すれば大丈夫のようなことが多いようです。そして、これが最も早くクレジットカードを入手できる方法だと思います。これをはずすと、あとはSSNをとった後で百貨店系のカードを作ることになりますが、クレジットヒストリがないと、これさえはじかれることになります。以前書いたとおり、サックスは2度アプライして弾かれたまま、メーシーズは1度弾かれて2度目にようやく一番与信枠の低いカード(限度額$100!!!)というカードを発行してもらいました。そう考えると、日本のヒストリをもってこないと(この方法は私は聞いただけなので詳しくは知りません)到着直後に現地カードを入手するのは、銀行でもらえないとするとなかなか難しそうです。
 ところが、最近(8ヶ月経過)になって、次々にPre-Approved Offerが来るようになりました。クレジットヒストリを毎月確認していると(年間$37くらいで自分のヒストリを確認できます)、最近はようやく中の中くらいになったことが分かります。そうすると、「カード入りませんか?年会費は無料です。既に審査してあるからすぐに発行できます」といった手紙が次々に来るようになります。最初は冷たかったのに(笑)。ヒストリは、銀行取引だけでも積み重なっていくようなので、長期にすむのなら地道にヒストリを作るのがいいのかもしれません。
 あとは、JALファミリークラブが現地カードを発行していますし、JCBカードも現地カードを発行していますので、年会費を払うのをいとわなければこれらを入手するのもいいと思います。

3.カードの紛失や盗難

 カードナンバーを盗まれて勝手に使われたという話は本当に良く聞きます。そのような場合には、電話でそんなものを買った覚えはないということを言うわけですが、そのクレームは割りと簡単に通るということです。私は、カードを切ったときのレシートはすべて残しておいて、何かあったときに備えるようにしていますが、知人の話ですとカード会社も保険に入っているので、あまり余計なことを言わないそうです。
 ただ、やはり紛失したときや盗難にあったときは、すぐにカード会社に電話して、カードを止めた方がいいことには間違いありません。実は、私も最近財布を落としました。財布は戻りましたが現金は抜かれていました。手元を離れていたのはほんの15分くらいの間でしたが、用心のためにカードを再発行してもらうことにしました。電話については、そう心配する必要はないと思います。カード会社によっては、第三者通話で日本語通訳が使えるところもあるようですので、最初に頼んでみるのもいいかもしれません。なお、AMEX現地カードでは、これは利用できませんでした。カード番号が盗まれたかもしれないので、Please issue a replacement cardと伝えれば、後はいくつか質問されるだけで(ZIP Code、住所、氏名、生年月日、SSN下4桁など)再発行してくれます。
 なお、毎月送られてくるステートメントは、しっかり確認したほうがいいようです。私はまだありませんが、銀行ですら、身に覚えのない支出が記載されていることがあるそうです。こちらの仕事は、まったくいいかげんなのです。
 そういえば、先日、旅行に行ったときに宿泊したある有名ホテルでも、支払いの時にステートメントを確認していたら、身に覚えのないレストランの支出が記載されていました。きちんと言えば処理してもらえます。こちらでは、払う前にきちんと確認をする、払った後にもステートメントをきちんと確認するという習慣を身に着けないと大変なことになるようです。

4.帰国後の取り扱い

 アメックスについては、キャンセルせずに持って帰ってきました。ちなみに、銀行口座もまだ生きています。たとえば、米国アマゾンで買い物をしたときには、アメックスで購入してUBOCの口座で決済しています。為替の変動によっては、結構いい場合もあります。海外へ行く場合は、米ドルをUCOBに送金しておいて、UCOBのデビット・カードかアメックスで買い物をするという手もあります。
 なお、アメックスは電話一本で住所変更ができます。利用明細書も帰国後半年、きちんと毎月送られてきています。ただし、たまったポイントで何かもらおうと思ったときに、家電製品などはもらっても使えませんし、各種のギフトカード(サックス、GAP、コーチなど結構選択の余地あり)はすべてドル建て(当たり前ですが)なので、アメリカに行ったときでないと利用できないという問題もあります。